2022年10月、Kさん(60歳後半・女性)は「軌跡について学習したい」という目的で大人塾に来校されました。そこから約2年間、月2~3回のペースで通い続け、2025 年12月、数学検定2級(高校2年程度)に合格されました。

学びの軌跡

スタート地点

数学Iレベルの基礎はできていたため、数学IIの「数と式」からスタートしました。

2022年10月~12月

  • 推論:4回(2時間×4)
  • 数式:2回

公式は「覚える」のではなく「身につける」

講師が印象的だったのは、Kさんの学習法でした。公式を暗記するのではなく、問題に取り組むときに忘れたら前に戻って確認する。そしてまた進む。この繰り返しで各単元を習得していきました。

当初の目標から、さらに先へ

  • 2023年1月~4月(7回) 軌跡・領域を修了
    当初の目標であった軌跡・領域の分野を春には修了。そのまま他の数II・Bの分野も継続して学習されることになりました。
  • 2023年4月~8月(8回) 三角関数
  • 2023年8月~10月(4回) 指数・対数関数
  • 2023年10月~2024年2月(8回) 微分・積分
  • 2024年2月~5月(6回) 数列
  • 2024年5月~8月(7回) ベクトル

月2~3回という無理のないペースで、着実に単元を積み重ねていきました。

思わぬ「壁」と、それを乗り越える言葉

数学II・Bの範囲を終えた時、講師から「数学検定受けたら受かりますよ」とお声がけしていました。

Kさんはさらに「確率の分野も苦手だからやりたい」とご興味を示され、場合の数と確率の分野も学習されました。

そんな充実した学習を続けるKさんでしたが、ある日、少し元気のない様子で教室にいらっしゃいました。

娘さんから「こんな事やってどうするの?」と聞かれたそうです。悪気があったわけではないでしょう。それでも、その一言がKさんの心に引っかかっていました。

「このまま続けていいのかな…」

学ぶことの意義を問われたような気持ちになったKさんに、講師は言いました。

「そんな言葉に振り回されないで、楽しくとことん進めましょう」

シンプルな言葉でしたが、Kさんの背中を押すには十分でした。誰かの評価のために学んでいるわけではない。自分が学びたいから学ぶ。それでいいじゃないか。

その日以降、Kさんはまた以前のペースで通い続けました。

試験当日

検定試験の会場には、高校生や高齢者も多く、今までに経験したことのない雰囲気だったため、緊張されたそうです。

合格、そして次の目標へ

合格証を持参された時、講師は驚きました。実は、数学検定を受検する・申し込むとは伺っていなかったからです。

Kさんは1次試験で1問ミスしたことを悔しがっていました。

学習期間:約2年
通学頻度:月2~3回
消化時間:77時間
学習範囲:数学II・B + 場合の数と確率

現在は高校の理系数学の範囲(数学III・C)を学習中です。次の目標は数学検定準1級(高校3年程度)です。

講師より

合格、本当におめでとうございます。Kさんの努力が実りましたね。
公式は覚えるのではなく、身につけるという感覚で、問題に取り組むときは忘れたら前に戻って確認しながらを繰り返して各単元を習得していったのが印象的です。

数学II・Bを終えた時点で「数学検定受けたら受かりますよ」とお声がけはしていましたが、合格通知を見せられた時は本当に驚きました。


現在は数学III・Cを学習中です。次は数学検定準1級を目標に頑張っていただきたいです。