(-1)×(-1)=1を示しましょう

今回は、前回学んだa×0=0を利用して、
(-1)×(-1)=1を証明してみましょう!

証明


まずは、簡単な準備から


マイナスにマイナスをかけるとプラスになる、というのは有名な話ですが、
これもa×0=0と同様、あたりまえなことではありません。

今回もこの問題は、今まで見てきた計算法則たちと、前回やった
a×0=0も使って考えることができます。

さらに今回は、(-1)×(-1)=1ではなく、

(-1)×(-1)+(-1)=0

をまずは証明していきます。

それでは、証明に入りましょう!


この証明もやはり前回と同様、一連の計算からなります。
何を示すかというと、

(-1)×(-1)+(-1)=0

の左辺

(-1)×(-1)+(-1)

分配法則などの「計算」によって0になることを見ていきます。

まず分配法則を持ち出します。
分配法則の式の形を思い出しながら(-1)をくくると、

(-1)×(-1)+(-1)
=(-1)×(-1)+(-1)×1
=(-1)×((-1)+1)

となります。つまりここでは、
第2項の(-1)の外には「1」がついていると思いながら(-1)をくくり出したのです。

さらに計算を進めます。

今度はかっこの中の(-1)+1の計算に入ります。当然

(-1)+1=0

となるので、これをさっきの計算式に入れれば

(-1)×((-1)+1)=(-1)×0

となりますね。

最後に、a×0=0×a=0を思い出します。ここで、aは実数であれば何でも成り立つので、
特にここではaを(-1)と思いましょう。すると、

(-1)×0=0

となります。

まとめよう!


今まで行った計算の一連の流れを書いてみましょう!すると
こんな感じになりますね。

 (-1)×(-1)+(-1)

=(-1)×((-1)+1)

=(-1)×0

=0

最初の式と最後の式だけを取り出してみると

(-1)×(-1)+(-1)=0

となりました。

一見、(-1)×(-1)=1ではないように見えますが・・・


今ここで示したのは(-1)×(-1)+(-1)=0であって、
(-1)×(-1)=1ではありません。
しかし、最後に一工夫をしてあげれば終わりです。

(-1)×(-1)+(-1)=0の両辺に1を足します。
これが、最後の一工夫です。

左辺は
(-1)×(-1)+(-1)+1

=(-1)×(-1)+(-1)+1

=(-1)×(-1)

右辺は0+1=1となります。よって、

(-1)×(-1)=1

が証明できました。

やはりこの式においても、

「どの式の中でも(-1)×(-1)=1を使っていない」

ということ注目しましょう。計算法則(主に分配法則)だけを使って
(-1)×(-1)の計算をし続けた結果、1にたどり着いた、ということを
この一連の計算式は示しているのです。

なので、(-1)×(-1)は決して当たり前に1ではなく、
このような計算式があること
を覚えておきましょう!

また、この計算でも結合法則は出てきませんでしたが、
この証明をキッチリやろうとすると出てきます。