SPIでは、解けない問題を捨てて、解ける問題を確実に取ることが得点につながります。ただ、その判断を自分でできるようになるには練習が要ります。

教室に通っている方であれば、講師が横で「それは飛ばしてください」とお伝えできます。Eラーニングや独学で進めている方には、その声がありません。目の前の問題を捨てていいのかどうか、自分で決めなければならないところに難しさがあります。

この記事では、模試を使ってその判断を身につける手順を書きます。どんな模試を用意すればよいかも、あわせて説明します。時間制限のない模試で問題を仕分けし、そのあと時間制限ありの模試で時間感覚をつくるという二段構えです。あわせて、間違いの直し方と、苦手な方が多い分数の扱いにも触れます。

用意するもの

用意するのは、本番と同じ形式の模試です。ひとつの模試を、次の2つの解き方で使います。

  • 時間を計らずに解く — 取りにいく問題と捨てる問題を仕分けする
  • 時間を計って解く — 本番の時間感覚をつかむ

まず時間を計らずに一通り解いて仕分けをし、そのあと同じ問題を時間制限つきで回します。目標に届いたら、次の模試へ。この2つでひとつのセットだと考えてください。

そして、高得点への鍵は、模試を何回やったかです。同じ模試を何度も通ることで、判断の速さと時間の感覚が身についていきます。

参考書だけでは足りないことがあります

市販の参考書には、単元ごとの練習問題は豊富に載っています。ただ、本番と同じ構成の模試がついていないものも少なくありません。ついていても1回分か2回分で、繰り返し使うと答えを覚えてしまいます。

また、紙の模試では時間を計るのが自分任せになります。集中していれば時計を見忘れますし、少し超えても最後まで解いてしまいます。本番は時間が来れば途中でも次へ進むので、その感覚は紙では再現しきれません。

参考書で解き方を学ぶことと、模試で判断を練習することは、別の作業だと考えてください。

大人塾のEラーニングの場合

大人塾のEラーニングには、時間制限のある模試と、時間制限のない模試の両方が入っています。この記事の手順は、そのまま実行できます。

教材はオンラインショップからご購入いただけます。

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第1段階:時間制限のない模試で、問題を仕分けする

いきなり時間を計る必要はありません。最初は時間制限のない状態で、一通り問題を確認するところから始めます。

この段階の目的は、点を取ることではなく、どの問題を取りにいき、どの問題を飛ばすかを決めることです。

1分考えて分からなければ、すぐ解説を見る

問題を読んで1分たっても解き方が浮かばないときは、そこで粘らずに解説を見てください。

自力で思い出そうとする時間は、この段階では必要ありません。知らない解き方、忘れてしまった解き方は、考えても出てきません。すぐに解説を見るほうが、進みが速くなります。

解説を読んでも分からない問題は、飛ばす問題にする

解説を読んでも理解できない問題があります。3分読んでも入ってこないようであれば、それは今回は取りにいかない問題です。

ただし、そのまま忘れてしまわないでください。その問題がどういう型なのかを、軽く覚えておきます。「集合の問題」「アとイのどちらで分かるかを問う推論」といった、単元の名前がわかる程度でかまいません。

本番でこの型が出たときに、見た瞬間に飛ばす判断ができるようになります。捨てる問題を覚えておくことが、時間を守ることにつながります。

解けそうだと思ったら、必ず自分で解いてください

解説を読んで「これはできそうだ」と感じた問題は、そこで終わりにせず、解説を閉じて自分で解いてください。

読んで分かった気になっている状態と、実際に手が動く状態は違います。自分で解いてみると、どこで引っかかっていたのかがはっきりします。計算の途中なのか、問題文の読み取りなのか、最初の式の立て方なのか。引っかかっていた場所が分かれば、そこだけ直せばよくなります。

解説を見ただけで先に進むと、この確認ができません。本番で同じ問題に出会って、手が止まってから気づくことになります。

まずは、解ける問題をしっかり解く

仕分けが済んだら、取りにいくと決めた問題を確実に解けるようにします。ここが得点源になります。

苦手な問題を追いかけるより、解ける問題を落とさない練習のほうが、点数に直結します。

問題の仕分け 取りにいく問題と、飛ばす問題を先に決めます。

第2段階:時間制限ありの模試で、時間感覚をつくる

仕分けが済んだら、時間制限のある模試に入ります。ここからは、時間内に1問でも多く解くことを意識します。

最初の目標は5問です。

覚えるのは答えではなく、解き方です

同じ模試を繰り返し使いますが、覚えるのは答えではありません。

答えだけを覚えてしまうと、正解数は増えても力はつきません。身につけたいのは解き方と、時間の感覚です。この問題にどれくらいかかるか、これは手を出していい問題かを、体で分かるようにしていきます。

「答えを覚えたから、もうやりたくない」と思ったときが分かれ目です

一度解いた模試について、答えを覚えてしまったからもう意味がない、と感じる方は多くいらっしゃいます。

ですが、同じ問題を繰り返すことこそが、柔軟性につながります。1回目は解き方を追うだけで精一杯だったものが、2回目は全体の流れが見えるようになり、3回目には「この形の問題はこう処理する」という型として手が動くようになります。本番で少し形を変えて出てきたときに対応できるのは、この段階まで来た問題です。

新しい模試に次々手を出すよりも、いま持っている模試を回しきるほうが、点数は伸びます。

できるはずなのに間違えた問題を探す

解き終わったら、まず「できるはずなのに間違えた問題」を見つけてください。

そして、なぜ間違えたのかを考えます。

  • 問題文の数字を書き写し間違えた
  • 計算を間違えた
  • 求められているものが違った(人数を聞かれているのに割合を出した、など)

自分の間違いには傾向があります。傾向が分かれば、本番でそこだけ気をつければよくなります。知らない問題を新しく覚えるより、点数が上がりやすいところです。

先日も、教室でこんなことがありました。手元のメモに数字を書き写すときに0を6と書いてしまい、そのまま計算に入って答えが出せず、そこで止まってしまった方がいらっしゃいました。解き方は分かっていたのに、数字を1つ書き間違えただけで前に進めなくなったわけです。

こうしたミスは、解き方を覚え直しても防げません。防げるのは、自分がそういう間違いをすると知っていることだけです。数字を書いたら一度見返す、0と6は形を変えて書く、といった小さな対策で済みます。

だからこそ、間違えた問題を「わからなかった問題」としてひとまとめにしないでください。解けるはずだったものが混ざっていることがあります。

解説を見たら、必ず解き直す

解説を読んで理解したら、解説を閉じて、もう一度自分で解いてください。

見ているのと、手を動かすのとでは、理解度がまったく違います。読んでいるときは分かったつもりになりやすく、いざ本番で手が止まる、ということが起こります。手を動かして最後まで答えが出せて、はじめて解けたことになります。

もう一度、同じ模試を解く

そのうえで、同じ模試をもう一度解きます。確認するのは2点です。

  • 前回と同じ間違いをしていないか
  • 1問でも多く解けるようになったか

これを繰り返します。目標に届いたら、狙う問題を2問ずつ増やしていきます。5問が7問になり、7問が9問になる。この刻み方であれば、次に何をすればいいかが常にはっきりしています。

目標に達したら、次の模試へ

目標の点数に届いたら、次の模試に進みます。

そこでも同じことをします。時間制限のない状態で仕分けをして、時間制限ありで回す。この往復を続けていくと、同じような問題は見た瞬間に解き方が分かり、手が動く状態になります。

この状態になった問題が、あなたの得点源です。本番では、ここで確実に取ります。

分数が苦手な方へ

苦手なものの筆頭に挙がるのが分数です。分数を見た瞬間に手が止まってしまうという方は、少なくありません。

その場合、まずは分数の問題を飛ばす側に入れてしまうという判断もあります。

分数は知っておいて損はありませんし、いずれ身につけていただきたい単元ではあります。ただ、試験までの時間が限られている状況で、いちばん抵抗の強い単元に時間を注ぐのは得策ではありません。他で取れる問題を確保するほうが先です。

試験が終わってから、あらためて取り組んでも遅くはありません。

繰り返すうちに、変わってきます

この手順を続けていくと、試験に対する余裕が出てきます。

余裕が出ると、問題が怖くなくなります。そして怖くなくなると、以前は歯が立たなかった問題が解けるようになっていることがあります。焦りながら読んでいた問題文が、落ち着いて読めるようになるからです。

最初から全部を取りにいこうとすると、この順番にたどり着けません。取れるものから固めていくことが、結果として取れる範囲を広げます。

学習の積み上げ 5問から7問へ。刻んで積み上げることが、遠回りに見えて近道です。

まとめ

模試の使い方を、あらためて整理します。

時間制限のない模試で

  1. 一通り問題を確認する
  2. 1分考えて解き方が浮かばなければ、すぐ解説を見る
  3. 解説を読んでも分からない問題は、型を軽く覚えて捨てる側に入れる
  4. 解けそうだと思った問題は、解説を閉じて自分で解き、引っかかっていた場所を確かめる
  5. 取りにいくと決めた問題を、確実に解けるようにする

時間制限ありの模試で

  1. 時間内に1問でも多く解く。まずは5問
  2. 答えではなく、解き方と時間感覚を身につける(答えを覚えた気がしても繰り返す)
  3. できるはずなのに間違えた問題を探し、原因の傾向をつかむ
  4. 解説を見たら、解説を閉じて必ず解き直す
  5. 同じ模試をもう一度解き、同じ間違いをしていないか確認する
  6. 目標に達したら、次の模試へ

大人塾のEラーニングには時間制限のある模試とない模試の両方があるので、この手順をそのまま実行できます。教材はオンラインショップからご購入いただけます。

どこから始めればいいか分からないという方は、入塾前の無料カウンセリングで短い診断問題を解いていただき、いまの状態に合わせた進め方をお伝えしています。ご相談だけでもかまいません。